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ニュートン・バイオキャピタル、株式会社PRISM BioLabに新規投資

ニュートン・バイオキャピタル、株式会社PRISM BioLabに新規投資 

今回の投資先は、独自のペプチド模倣技術で難治性疾患の創薬を目指すベンチャー企業

ヨーロッパから将来性のある日本のライフサイエンス分野に投資を行うベンチャーキャピタルのニュートン・バイオキャピタル(Newton Biocapital I Precaf Privee SA; ベルギー、ブリュッセル設立; マネジング・パートナー アラン・パルトゥーンス) は、日本のベンチャー企業で独自のペプチド模倣技術である『PepMeticsTM』を活用し難治性疾患の創薬を目指す株式会社PRISM BioLab(以下「PRISM」)への投資を行いました。

ニュートン・バイオキャピタルは、PRISMが本年8月に実施した総額約1000万ユーロ(約13億円)の資金調達のうち、共同リードインベスターとして約200万ユーロ(約2.5億円)を新規投資しました。この投資により、PRISMは、研究・開発パイプラインの推進、強化、並びに基盤技術のさらなる充実を図ります。

株式会社PRISM BioLab(代表取締役 竹原 大、本社:神奈川県)は、2006年に設立されました。“α-ヘリックス”が関わるタンパク質/タンパク質相互作用(Protein-Protein Interaction (PPI))を制御することで創薬の新しい世界の1つが拓けると提唱しています。この概念に基づいて作製したPRISM 化合物ライブラリーから、Wnt パスウエイのスイッチに働く化合物を開発し、その臨床試験をがん分野および線維症分野で進めています。他にも幾つかの医薬品候補化合物がPRISM 化合物ライブラリーから創製されてきました。

PRISMは、このハイコンテント・スクリーニングにも適したPPI制御に特化したヘリックス模倣低分子化合物ライブラリーを提供するサービスを開始します。現在複数の製薬会社・バイオベンチャーと提携を組みながら、医薬品開発に向けた研究を推進しています。

PRISMの竹原大代表取締役は、「バイオテクノロジーやライフサイエンス事業への豊富な投資経験と実績を持つニュートン・バイオキャピタルより出資頂けたことは大変光栄です。今回調達した資金をもとに、当社の創薬基盤のグローバルな認知度を高め、多くの新たな治療薬を生みだすべく、研究開発を推進して参ります」と述べています。

ニュートン・バイオキャピタルのアラン・パルトゥーンス マネジング・パートナーもコメントしています。「PRISMの技術は、日本から世界クラスの有望なテクノロジーが生まれているひとつの証です。日本の潜在力の高いテクノロジーとヨーロッパの資金が結び付くことで、革新的な創薬研究と治療の開発が可能になると評価しています。そしてそれが、疾患の治療を必要とする世界の人々の健康と生活の質の向上への貢献することを心から願っています。」

また、ニュートン・バイオキャピタルのインベストメント・ディレクター ヤオ・リは次のようにコメントしています。「PRISM社のライブラリーは、α-helixやβ-turnを模倣した化合物で構成されており、膀胱がんをはじめとする様々な疾患の新たなターゲットである天然タンパク質間の相互作用を阻害することができます。最近、PRISM社が世界的な製薬会社との提携をしていることも、そのユニークなアプローチの大きな可能性を示唆しています。今回の資金調達により、PRISM社が創薬分野におけるリーディングカンパニーの一つとなるよう支援していきたいと考えています。」

ヨーロッパと日本の投資パイプラインを強化するために、ファンド運用・管理会社であるニュートン・バイオキャピタル・パートナーズs.r.l.(本社ベルギー、ブリュッセル)は、2018年から設置していた東京オフィスを日本法人に格上げ登記し、ニュートン・バイオキャピタル・パートナーズ合同会社(東京都中央区;日本代表 鈴木貞史)を今年(2021年)4月に設立しました。

ニュートン第1号ファンドの運用規模は1億1300万ユーロ(約147億円)で、最新の投資ポートフォリオ企業総数は13社です。そのうち、PRISMを含めて日本のベンチャー企業は4社となります。